日本体育協会公認コーチ(空手道)更新講習会
9月5日(日)日本空手道会館

講習会は、午前中はドーピングと体育理論についての室内講義。
 午後からは、4大流派の第2指定形をそれぞれ1つづつ。
 ・松濤館流:津山先生
 ・糸東流:大出先生
 ・剛柔流:村松先生
 ・和道流:柳田先生
 講師の先生の顔ぶれも、変わっていましたね。他流派の形を学ぶというのは、審判をする上で大切です。全てを覚えることは出来なくても技のポイントや留意点、分解を教わるのは、いつでも楽しいものです。
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今回の講習会の講義は、
1 スポーツ医学(ドーピングについて) 鈴木先生
2 体育理論 豊嶋先生
3 講話 栗原専務理事

1 スポーツ医学
○アテネオリンピック、ハンマー投げで金メダルを獲得したアヌシュ選手(ハンガリー)(のち、ドーピング発覚で失格となり、室伏選手が繰り上げ金メダル獲得)のドーピング使用は、極めて悪質であったこと。尿検査のとき、別人の尿を入れたパックを肛門に挿入、注射器で注入できる装置をしのばせて検査を偽装しようとしていたこと。

○メンフォー用のマウスガードは着用すべし!たまに、メンフォーを付けていても歯が折れる選手がいるが、「メンフォーは絶対に曲がることはなく」(ミズノ談)、衝撃でずれて歯と歯がぶつかるなどして折れるとのこと。マウスガード(2mm)を装着すれば、口腔の怪我がかなり軽減(減少)されるとのこと。

2 体育理論
○ATP理論。トレーニングは、体力強化するための運動。運動、すなわち身体活動は筋の収縮により行われる。この筋の収縮の働きを起こすのがATP(アデノシン三リン酸)。

○このATPが分解して無機リン酸を放出し、ADP(アデノシン二リン酸)に変わる時に発生するエネルギーを使って筋肉を動かします。動物、植物、微生物(細菌)などには、必ずATPが含まれています。

○ATPは、ごくわずかしか筋肉中に存在しない。このため、炭水化物、たんぱく質、脂肪を摂取した人体で消化吸収された分子は三つの段階(解糖、クエン酸回路、電子伝達)を経てエネルギー源となるATPをつくります。
3 栗原専務講話

【全空連・WKFについて】
○全空連ナショナルチームの合宿は、1回当たり250万円の経費がかかる。コーチ陣は無償である。海外遠征での大会に参加すれば、1回当たり1,000万円必要となる。現在、会費収入は8,500万円、そのうち3,500万円は還元金とカラテライフ発刊で消えてしまう。非常に苦しい財政状況である。国からの補助も期待できない。(会員には、負担増は求めない。)
○北京でおこなわれたコンバットゲーム、日本は、松久選手の銅メダルが1個であった。オリンピック入りも、道は険しいが頑張っていかなければならない。
○世界の形の流れがおかしい。あきらかに、むやみな呼吸音を発したり、スピードはあるが緩急やリズムがなくロボットみたいな演武となっているが、審判が旗を挙げてしまう。正しい知識を持つ審判を養成、指導することが大切だ。

【中学校武道必修化について】
○平成24年度から、中学校保健体育で武道が必修となり、柔道、剣道、相撲からひとつを選択して履修することとなった。
○現在、剣道6割(7割という説も)、柔道3割(2割という説も、いずれにしても剣道と柔道で9割を占めているということ。)、残りの1割を他の武道が分け合っている状況。
○全空連も、「空手道練習の手引き」を1万部作成し、指導者の養成に動き出した。
○空手道は、現在、5,000人の指導者がいるといわれている。この方々を活用してひとつでも多くの中学校で採用されるよう努力していく。
○現在は不利な状況であるが、沖縄では既に、6割以上の中学校が空手道を履修している。見習っていきたい。

[参考]
○「地域や学校の実態に応じて、なぎなたその他の武道についても履修させることができる。・・・・地域や学校の特別の事情がある場合には、替えて履修させることもできる。

○したがって、基本的には、剣道、柔道、相撲の3つの中から選びます。この3つのいずれかに加えて、空手道も履修できます。または、特別の事情がある場合には、剣道等と替えて、空手道を履修できる、ということで、いずれにしましても、状況はかなり厳しいようです。



日本空手道連合会九州地区協議会 技術講習会
9月11日(土)12日(日)・熊本崇城大学

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 先の日体協のコーチ講習会においても、先日の連合会九州地区審判講習会においても、指定形についての話がありました。
  ご承知の方も多いとは思いますが、以下に記載します。
○国体、全日本等国内の大会では、1回戦は第一指定形、2回戦は第2指定形を、3回戦以降は得意形を演武すこととなっている。
○しかし、世界大会等海外での大会(WKF)では、1回戦と2回戦は、第1指定形で、3回戦以降は得意形とするとなっている。(第二指定形演武の規定はなし)

○WKFの大会では、決勝まで、最大6つ(指定形を含めて)の形を演武する必要があり、また、第一指定形も2つ演武する必要がある。第一指定形を1つしか知らない選手もいるので、世界を目指す選手は、第一指定形は2つともマスターする必要がある。